フォロワー、カメラで写真撮ろ……のコーナー【風景・競馬・野鳥】

はじめに

 カメラ購入を検討中のフォロワーにダイマするために作りました!!!

・予算:20~30万

・自然や生き物を綺麗に撮りたい

 以上の希望を満たした上で「できるだけお手軽に」「スマホでは撮れない写真が撮れる」「1台でどんな撮影環境にも対応できる」カメラを考えます。
※自分が使っているためCanon製品を紹介していきますが、紹介するおすすめポイントを満たすものであれば他社のカメラでもいい……はず!

1.カメラ本体を考える

〇EOS R8:実売24万(10月までキャッシュバックCP中で更に-3万)
EOS R8:レンズ交換式カメラ・レンズ|個人|キヤノン

〇EOS R6mkII:実売33万(キャッシュバックCPで-4万)
EOS R6 Mark II:レンズ交換式カメラ・レンズ|個人|キヤノン

 予算内に収めるためR8を例に特徴を解説していきます。R8はR6mkIIの機能縮小版とも言える仕様で、本体重量以外は下位互換と言えます。とはいえ実際の写りに関する部分ではR8はR6mkIIとほぼ同等の性能を持っています。すごい。

 

オートフォーカス(AF)の精度が高い
「ピントを素早く・正確に・合わせ続けてくれる」ということです。
 R8は画面全域でのAFが可能で、被写体検出も機能します。画面の端の被写体にもすぐにピントが合い、そのまま捉え続けてくれるので、ひょいと現れ動き回る小鳥などを撮る際にも便利。また、検出する被写体は「馬」にも対応。駆けてゆく馬も素早く認識し、追い続けることができます。

〇優れた高感度耐性
 とりあえず「夜や暗所の撮影でも綺麗に撮りやすい」と思ってください。

ーーー以下ちょっと詳しい説明ーーー
 カメラの設定で写真の明るさが変わる要素として「シャッタースピード(SS)」「F値」「ISO感度」の3つがあります。詳しいことは他人様のわかりやすい解説動画とかを見て欲しいですが、
・SS=早くするほど動体を写してもブレないが暗くなる
F値=大きくするほどピントが全体に合うが暗くなる(逆に言うとF値が小さいと明るく・前後がめっちゃボケた「カメラっぽい」写真が撮れる)
ISO感度=高くするほど明るくなるがノイズが乗る

 つまりブレない程度にSS遅く・F値を小さく・ISOを抑えて撮影することで、明るく高画質な写真が撮れます。……が、夜の撮影や暗い森の中での撮影など「ISO感度を大きくするしかない」という状況は発生します。高感度でどのような違いが出るのか、僅かな照明のみの暗い室内で比較してみましょう。

(上:R8 下:スマホ、どちらもISO6400、F値SSは同じ)

 さすがに比較が意地悪すぎかなと思いますが、フルサイズセンサー、その中でも高感度耐性に優れたR8の実力がわかると思います。スマホカメラだとノイズが乗ってヨカヨカ人形の質感が失われてしまっているのですが、R8はISOを上げてもかなり細かいところまで描写してくれています。森の中、夜のスナップ、水族館・博物館巡りなど活躍できるシーンは多いです。

〇秒間40コマの高速連写に対応
 R8は高速シャッターにも対応。だいたいのシーンでは秒間10コマ程度でも十分なのですが、鳥の採餌や羽ばたき、競馬の競り合いといった「一瞬」を切り取りたい!という場合にすごく役に立ちます。

〇小型・軽量
 めちゃくちゃ大事です。R8はフルサイズ機で414g(バッテリー・メモリーカード込461g)とAPSC機並の軽さ。旅行だけでなく、仕事やちょっとした散歩についでで持っていけます。当たり前ですが写真は撮らなきゃ上達しないので、気軽に持ち出しやすいのは最高。レンズ次第ですが、ウエストポーチやサコッシュにも入る程度の大きさ。


 以上、おすすめポイントを挙げました。風景だけでなく動物、それも野鳥や競馬などの撮影を考えると、最優先はAF精度。次点で連写速度高感度耐性、同時に持ち歩きやすさも重要になってくる……と思います。

APS-C機じゃダメなんすか?
 ダメじゃないです!!(比較的)低価格、軽量、さらにセンサーサイズが小さいことで同じ焦点距離レンズをつけた場合、フルサイズ機に比べ画角が約1.6倍になる、という素晴らしい特徴があります。野鳥撮影など少しでも望遠が欲しい場合にすごくありがたいですよね。
 ただ「センサーサイズが小さい」という仕様によりAF精度と高感度耐性という重要項目に妥協が生じてしまうという問題が発生します。センサーサイズが小さいということは、取り込む光や情報量が減るということ。フルサイズ機と比較すると上記の点は劣らざるをえませんし、自然の繊細な色彩を写し取りたい!という場合にも不利になります。
 夜や暗所、悪天候の日など、充分な明るさが得られない撮影シーンは多々あるもの。そんな時にも充分に対応できる、ということから私はフルサイズ機をおすすめします。逆に言えば上記の点が妥協できるなら買っちゃっていいと思います。安さと軽さは正義。


2.レンズを考える

〇各焦点距離における見え方 
 レンズを紹介する前にまず各焦点距離でどこまで寄れるのか、というのをお見せします。10mほど先に被写体を置いて撮影してみましたので、ご自身が欲しい望遠はどこまでなのかの参考になればと思います。

・24mm

スマホの画角ですね。目の前の風景全体を収めるのに役立ちますが、奥に何があるかはよく分かりません。

・50mm

  少し画角が狭まり整理された印象。目の前の「これを撮りたい」というものが決まっている場合、被写体以外の余計なものを入らないようにしやすくなります。個人的に好きな画角。

・100mm

ようやっと何があるのか見えてきました。

・240mm

・300mm

だいぶ望遠が効いてきました。大きめの動物だと遠くにいてもバッチリ撮れる位に寄ることができます。言うのが遅れましたが牛の象は大きめの犬くらい、馬は小鳥大の大きさになります。

・400mm

これくらい寄れると牛はバッチリ!という感じですね。競馬場や動物園などでも困ることはそうそうないのでは。
小鳥サイズは「まぁわかるけど、もうちょっと望遠欲しいかな……」というところでしょうか。野鳥撮影の最低ラインが400mmと言われるのもわかるという感じです。

・560mm

600mmクラスまで寄りました。ハトサイズ以上であればバッチリ。小鳥サイズはトリミングしたい……という感じ。

・896mm

 手持ちの機材で最大まで寄りました。ここまで来ても若干小さいなと思ってしまうあたり、野鳥撮影はハードルが高いですね……。とはいえ10mの距離でこれであれば、あとは足で稼ぐ・トリミングでなんとかなるのではないでしょうか。もっと望遠欲しい!という方は、クソ高レンズがあなたを待っています。

〇以上を踏まえたおすすめ
RF100-400mm F5.6-8 IS USM
RF100-400mm F5.6-8 IS USM:レンズ交換式カメラ・レンズ|個人|キヤノン
・ RF50mm F1.8 STM
RF50mm F1.8 STM:レンズ交換式カメラ・レンズ|個人|キヤノン

 以上の二つを購入するのがおすすめです。

 

〇RF100-400mm F5.6-8 IS USM
・低価格で超望遠レンズが手に入る
 実売8万4200円(キャッシュバックで-1万)。望遠レンズは20万以上ということもザラ。その中で純正でこの値段、しかも400mmまでの望遠レンズを出してくれるのは超ありがたい。

・なのに軽量コンパクト
 望遠レンズとしてはかなり軽量である635g。R8と組みあわせた場合重量1096gになります。
 右手でカメラ本体、左手でレンズを保持する必要がある以上、レンズ自体の軽さも重要です。あんまり重いと構えてられませんし、首から提げてるだけで疲れます。確かに重さは感じるものの、(成人男性としてはヒョロい自分でも)2、3時間歩き回ってもまぁ許せる位の重さです。

 ペットボトルを太くした位のサイズ感。

F値は暗いがAFは問題なく作動
「F5.6-8」とは100mm時点ではF5.6、ズームするごとに暗くなり400mmではF8になる、ということです。なかなか暗めなレンズなのがデメリット。問題はAFの精度ですが、R8はF22までのAFに対応。100-400は低価格帯のレンズでありながら「ナノUSM」という良さげなモーターを積んでおり、素早くAFが作動します。

・エクステンダーを使えば560mm(800mm)
 エクステンダー(テレコンバーター)とは、レンズとカメラの間に装着して焦点距離をかさ増しするモノです。多少全長と重量がかさむだけで望遠を稼げる便利グッズですが、100-400はコレに対応しているので、「もっと望遠が欲しい……」という場合に出費すれば幸せになれます。
 注意点としては1.4倍だと一段、2倍だと二段分F値が下がることと、画質とAFに少し影響が出ること(1.4倍だと気にならない程度)。

1.4倍エクステンダーを装着して撮影。F11+シャッタースピード1/1000+曇で太陽の隠れた夕方+木陰+網越し、という画面暗くなる要素の詰め合わせ。案の定画面かなり暗いですが、しっかりAF・瞳認識も作動しました。

 こちらは↑を現像の際に露光補正で明るくしたもの(記事に貼り付けるためリサイズ)。F値が大きくても黒潰れさえしてなければ暗い写真でも意外と何とかなります。というか今の時代撮った写真のノイズ除去・画素数を上げることも可能なので、「ピントが合っているか」だけが譲れない絶対条件になります。
 
 最初の望遠レンズを選ぶ際は、軽さ>焦点距離>AF精度>明るさ、位で選んだ方がいいと思います。そうは言っても明るいレンズが欲しいのも確か。明るい望遠レンズってやたら高い・重いんですよね……。

〇RF50mm F1.8 STM
 100mm以下の焦点距離はこれ一本で済ませます。
・軽い小さい
 160g長さ4.5cm。望遠レンズと比べりゃ羽です。R8と組み合わせた場合621g。首から提げていても気にならない程度ではないでしょうか。鞄やリュックにも「ついで」で入れておきやすいですね。

・明るい
 F値が小さい=画面が明るくなることで暗い室内でもISOを抑えた撮影が可能になり、綺麗な写真が得やすいです。

・よくボケる
 F値が小さいとよくボケた「カメラっぽい」写真が撮りやすいです。カメラを使う以上、スマホとは違った写真表現をしてみたくなるものですが、ボケを活かせば簡単にそれが可能です。

・安い
実売2万9000円程で手に入ります。R8+RF100-400+コレで30万円を多少超えちゃってますが、許容範囲だとさせてください。

・カメラの練習になる
 このレンズは単焦点レンズと言って、ズームができないレンズになります。そのため寄ったり引いたりする際は自分が動くことが必要。カメラの構図に何を入れるか何を引くかを悩むことになるので練習になります。

〇広角側はなくていいんすか? 
 50mmは「片目で見た人間の視野くらい」と言われます。まぁつまり大抵のものは自分が近づいたり離れたりすることで画面内に収めることができます。「目の前に広がる大自然」みたいなものはさすがに無理なのですが、そういう遠景って今のスマホで十分いい写真が撮れないでしょうか??

  50mmだけで行けそうな気がしてきませんか??
 Canonは標準域のレンズをやたら出しており、10万円台で「Lシリーズ」という上のグレードのレンズも買うことができます。まずは手に入れやすい50mmF1.8で明るさやボケを楽しみつつ、他の焦点距離に興味が出てきたら買い足す、位の心持ちで始めてみるのがいいのかな、と思います。

3.もうちょっとお金出していいからほかの候補ない?

〇やっぱり広角側もカバーしたレンズが欲しい!

・RF24-105mm F4-7.1 IS STM
 395g6万5000円。F値は大きくなりますが広角から望遠までありRF100-400と合わせると24〜400mmまで全ての焦点距離が使えるのが魅力。マクロ機能もあり、レンズの目の前まで被写体を寄せて撮影することも可能です。

・RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
 210g4万6000円。F値は大きくなります。R8とのキット商品が販売されており、計27万(キャッシュバックで24万)で手に入れることができ、ちょっとお得です。

〇全部一本で済ませたい!!
・RF24-240mm F4-6.3 IS USM
 750g13万4000円。100-400より重く価格も高いですが明るい。そして広角側は24mmとスマホ並の画角。これ一本で引いたり寄ったりできる万能レンズ。「レンズ交換とか絶対したくない……」という方にはおすすめです。ただ240mmは普段使いでは十分ですが、鳥の撮影は厳しいです。

〇おまけ:金かけていいから野鳥撮影を本格的にしたい!!

・RF200-800mm F6.3-9 IS USM
 2050g29万円。レンズだけでR8+100-400+エクステンダーよりも重い。これでも600mm以上のズームレンズとしてはかなり軽いです。どんな世界?なお、手持ち撮影可能なズームレンズで800mmまでの焦点距離をカバーしているのはCanonだけです。F値が凄いことになりますがエクステンダーにも対応。野鳥撮影レンズは何十万円という世界なので、これでもかなり手に取りやすく……ガチで野鳥撮影するならこれ一択な気がします……。いや本当にどんな世界??

 

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 以上です!!!カメラ買いたくなってきたら僕の勝利です。個人的にCanonは入門用レンズで結構性能が良いものを出してるな〜という印象で、おすすめです(高いレンズは本当高いんですけども……)。メーカー選定の一助になれば!

 記事読んでようわからん事とかその他の質問あったら言ってください。かしこ。